漁協女性部のチカラ

漁業を営む方々の協力体制は素晴らしい。女性の方々はともかく働き者です。婦人消防団もあり結束もかたく、リーダー、フォロワーのチーム作りも「陸」の人たちより上手だとかねがね感じて来たものです。

 

昭和初期、田野畑の天然わかめは加工されて「鳴門わかめ」として流通していたそうです。昭和8年の三陸大津波。多くの人命と財産を奪い、困窮を極めた当時の漁協組合長は、徳島県に技術指導をお願いする。ただ鳴門わかめ関係者が「鳴門わかめの秘伝の技法を漏らすのはいかがなものか?」と。しかし「他人の不幸を救うのは人の道」と、当時の交通手段からすれば気の遠くなるような旅程で岩手県田野畑村まで赴き技術指導にあたった人たちがいた。女性も含まれています。まもなく田野畑わかめは宮内庁に献上されるまでになります。

 

船上で身体を張って漁をする男性。そして水揚げしたウニやワカメを加工する女性。昔も今も役割分担もはっきりしています。当時の加工場は女性たちの活気にあふれていた様子が、歌詞として残されています。

 

その後は質より量を求められる時代に突入。わかめ生産は養殖の時代に。鳴門も三陸も養殖・塩蔵わかめに。今は75%が輸入品わかめが国内流通を占めている。ワカメ養殖が漁業の柱になった2005年、仁愛の道を選んだ鳴門わかめ技術指導者への感謝と敬意をこめて、この石碑は建てられました。

 

そして2011年東日本大震災、津波。6年間だけ存在した記念碑(岩手県田野畑村)。どれだけの人の思いが込められてきたワカメか、思いを馳せてしまいます。

 

最近のワカメ加工場。芯抜きの工程です。

 

話題は変わりますが、610日、ガストロノミーサロン2018が開催されました。

 

全国から集まった食産業関連の方々、そして地元の方々に講演とシンポジウム。

 

岩手大学後藤教授による「世界三大漁場三陸の豊かさ」

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石川先生から前回にひき続き「海藻(特に田野畑のワカメの特殊性、優位性、魅力」

 

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最後は若手生産者とロレオール伊藤シェフ、山田町のレストランシェフによるトーク。

 

その後、ロレオールにてパリ、東京、岩手県内のシェフの方々総出のスペシャル・デイナーが開催されたようです(私は参加できませんでしたが・・)。

 

来年度、ガストロノミー学会がこの地で開催される予定です。

 

ここでハードル。田野畑産のワカメを「たのはたわかめ」として表記した商品がかなり限局している問題。詳細はお伝え出来ませんが、今年度、女性部の既存商品を洗練させて販売できるように試みが始まりました。

現在流通している女性部のワカメパッケージ。

日本でワカメ養殖が始まった碁石海岸・松崎町のわかめ。

こちらは宮古市田老真崎海岸のワカメパッケージ。

三陸とは言え、岩手県から宮城県までをさします。個性的なワカメも散見されるなか、田野畑村のワカメの個性を出していこうと思っています。

 

 

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