投稿者: 宮田 恵

いのちを耕すお台所

7月6日(日)大阪ガスデリパ様で医食農連携「いのちを耕すお台所」のセミナーを行ってまいりました。主宰はピースフードジャパンの宮谷さんです。開催を支えて下さいます歯科医師の薮田先生から講師紹介していただきました。

大阪ガス紹介

今回4回目、今までは講義形式でしたが、キッチンライブということで、実際農家さんが持ってきてくださったお野菜をお料理させていただき、食材そのものがよければ、ちょっと手を加えるだけでも美味しい料理にかわります。中食・外食産業で使用する食材は輸入物が大多数。加工や保存のため栄養価や味は低下、そこをおぎなうように沢山の添加物。       お料理をする習慣がなければ、いざ生活習慣病の食事指導をうけても実践は困難、ワーファリン内服することになり「一定量の野菜」の意味すら解らない、腎不全の低タンパク食、低カリウム食などは、もはやハードルが高すぎてだれもついていけないのです。

メニュー   本当に自分の健康を守りたいなら普段からの料理習慣と食材の知識。そして最近のトレンド「腸内環境」を考えると、「いのちを耕すお台所」のテーマが浮かび上がるのです。   大阪ガスジュース

野菜ジュース、市販のものは食物繊維が抜いてあるし、フィトケミカルなどは表示されていないがかなり減衰していると推察(飲めばわかります)。ミキサーで回してドロドロ感を提示。本当は「まずいー」を示したかったが、野菜が美味しくて予想に反して「美味しすぎ」。

おかん   P7060147   胡瓜

割烹着に着替えて焼きナスときゅうりのホヤ燻製添えを料理。大阪の野菜と岩手の乾モノの出会いが新鮮。

くんせい

大阪のおかんとおしゃべりメディカル・クッキングです。

料理シーン

そのあと参加者でお料理を。野菜なくして健康・治療メニューは完成しません。

農家さん

農家さんトーク。

雑穀   ニンニク RISA

岩手の雑穀、エゴマ油、住田町の火の土ニンニクを紹介する医食農連携でも必要な流通部門 Olahono の渡邊さん。爽やかですねー。

餡

岩手県軽米町から提供された小豆と粟のぜんざい。京都の老舗お菓子屋さんの銘菓だそうです。宮谷さんがつくって下さいました。

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想いが交叉するとても良い会でした。企画、参加された方々全てに感謝申し上げます。

山形県の食とヒトの底ぢから

山形の人たちは売り方が上手だとよく耳にする。山形入りしてなるほど・・・と感じたこと

 

ともかく努力している。だから優品が多い。努力の結果の商品だから、自慢して売れる。これが正しい売り込み方だ。

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スローフード山形の講演の前日に山形市入り。まずはシニア野菜ソムリエ山口さんのグリーンショップハラダへ。野菜ソムリエ協会認定店だ!スローフード山形代表の岡田先生と3人で記念撮影。山口さんの恩師だそう。

 

伝統野菜など珍しいものが普通においてあってしかも安い。

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蔵王サファイア茄子。おとな買いして宅配受注。楽しみがまた増えた・・。

 

それから懇親会を開いて頂いた。野菜が美味しいお店だそうだ(奥様がジュニア野菜ソムリエ)。

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初めの乾杯はタケダワイナリーの醸造過程半ばの白ワイン。開栓すると泡がとことこ溢れます。これは好き・・・色々な雑味が醗酵を感じる。

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お野菜盛り合わせ。ミニトマトをだし汁につけて。真ん中は白いとうもろこし。生で頂きます。さわやかな甘さ。

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野菜サラダ。紫キャベツの酢漬けをドレッシング代わりに。葉野菜が新鮮で美味しい!

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トマトを土台にマッシュルームをトッピングしたピザ風

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ここで日本酒が登場。地酒は勧められたものを呑むに限る。

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セイロの蒸し野菜、ズッキーニやらカリフラワー、玉ねぎ・・蒸篭へ入れる時間をずらして完成したとか。いやーー野菜の実力がくっきり。

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ローストビーフ

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さやえんどうの実ご飯。こちら嫌いなヒトも多いのですがどんなヒトでも美味しいと思うはず。

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翌日講演、2時間近くお話ししてしまいました。食べることは医学的に解説してもこのように(これ以上)奥深く、食べもの、食べる環境、生産の環境、大事にすべきことは実に明白。そこを強調した。

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参加者に長谷川味噌の方が。本物味噌。材料も製造工程もかなり吟味されている。食べて納得。

 

そのあとはピザ-ラへ。

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野菜たっぷりピザ

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近くのさくらんぼ圃場へ。主の方は実はスキーのインストラクター。さくらんぼ農家を継ぎたくなかったけれど、親に剪定の技術だけマスターしてくればあとは何もしなくていい、といわれ、修行してきたそうだ。それほど大事な剪定。枝ぶりを見ればなるほど・・。

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感動したり納得したりの連続だったが、人びとの努力がむしろ心地よく感じられる貴重な2日間。主催してくださった岡田先生には感謝の言葉でいっぱいです。

 

岡田先生は日本のアリスウォーターです。

 

早池峰菜をスローフードジャパン「味の箱舟へ」の想い

早池峰菜(はやちねな)は、茎立菜の一種で、岩手県遠野地方、早池峰山麓の山村の農家に伝承されていた地方野菜(在来作物)です。絶滅寸前のところでしたが、偶然発見された菜類で、早池峰菜の名は、発見後名付けられたということです。遠野緑峰高校の生徒さんたちが栽培や保存に携わっています。   その出会いはさかのぼること2月12日六本木ヌッフで開催された、ロレオール伊藤シェフ主催の岩手の食材を首都圏のシェフに紹介する会、遠野緑峰高校の生徒さんが手にした早池峰菜は天から舞い降りてきたようでした。ひと目ぼれです。   その後、おお通り健康教室のイベントでふるさと活性センターが早池峰菜を紹介、伊藤シェフの早池峰菜ソースのお料理はとても美味しかった・・・。

メニュー

この感動をみなさんで共有したく、早池峰菜を楽しむ会を企画させていただきました。農、医薬、流通、食産業、テレビ関係、などなどの参加された方々の野菜への想い、そして高い料理技術を駆使し、まさに今宵だけのスペシャル・メニューを準備してくださいましたモン・フレーブの狩野シェフそしてスタッフの協力のお蔭で、早池峰菜の素晴らしさがさらに身体に刻まれることとなりました。

 

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計画中に、スローフードジャパン・味の箱舟認定、宮城県の小瀬菜大根の実が手に入る事になったり、やぐらネギ(三階ネギ)が急遽参加したりと・・ワクワク感一杯。こういうダイナミックな企画は大好きです。

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トウモロコシの冷製ヴルーテ

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彩り野菜とサーモンの炙り イサダ入りソース

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早池峰菜ソース、小瀬菜大根の実(さや)の3種の風味

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アスパラガスのソテーとイタリア産生ハムパリミジャーノのチップを添えて

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ホタテガイのサラダ 苺のヴィネグレット、早池峰菜のお花、ホタテの間には三階ネギが。

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天然海老ソテー ニューバーグソース、早池峰菜の根っこ付き丸ごと、ハトムギを早池峰菜の葉でロールして、小瀬菜大根の実・・・まさに一期一会・・。

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岩手県産牛フィレ肉の南部鉄器焼き 牛蒡ソース、ソースの中に早池峰菜の根が入っています。

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ヨーグルトとフルーツ

IMG_7401     早池峰菜ソース、早池峰菜のお花、早池峰菜の根、すべて食べられるお野菜です。   小瀬菜大根の実は莢の部分は三種の風味で、そして、な・な・なんと、さやかや取り出した実の美味しい事といったら(お料理が大変だったそう、狩野シェフ感謝です)。そして急遽参加の三階ネギ(やぐらネギ)アナの女王の冠の様に大きく育っていて存在感あ。 IMG_7377

これからの早池峰菜への期待と心配事。   野菜の背景にある人の暮らしをかざしてみると、実にいろいろなことが見えてきます。中山間地帯で細々と栽培継承されてきた野菜が見つかると、珍しさや興味から栽培を始める人、さらにお金になる、と判断されると、栽培したいという農家さんが出てきて、それを取りまとめる生産組合が出てきて、それから種苗メーカーが出てきて、農業資材を売る会社が出てきて、生産が多くなると売らなくてはならないし、販路拡大だとかブランディングとかも騒騒しくなるし、種は自由に移動するから、その他の場所でも栽培され、いつしか本来の品種とは味も外見も変わっていき・・。いつしかその野菜の栽培は、もともとの畑から姿を消してしまう。大量生産したい人のためにF1品種も並走しはじめ、とうとう野菜の物語は忘れ去られてしまう。これが資本主義経済の農業の自然史。それにお金が絡むとヒトの関係もぎくしゃくしてきます。この早池峰菜だけはその場所でそのままで存在し続けて欲しいと願っています。

 

朗報!遠野緑峰高校の早池峰菜研究会の生徒さんと遠野のシニア野菜ソムリエ高橋義明さんたちが共同でスローフードジャパン味の箱舟の認定に向けて活動を始めました。現地調査と学術がそろえば認定に一歩近づきます。認定されると私の不安は解消されると思っています。 とてもいいものがあって、いつかは食べたい・経験したい、ということも、時間経過の中で気がついたらすでに存在そのものが無くなっていた・・・そういう残念な思いは、こと農作物に関してはしたくなく、野菜、そして人との出会いを大事に、のがさないように、これからもちょくちょく活動したいと思います。

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早池峰菜を届けて下さったふるさと活性センターの藤井様、小瀬菜大根の実を生産・お送りくださいました加美町の早坂様、ヤグラ葱を吾妻ひでおのマンガと物々交換して下さった佐々恵農園様、素晴らしいお料理の技術を披露してくださいましたホテルメトロポリタンニューウイング、モンフレーブの狩野シェフそしてスタッフ、参加して下さった全ての方々に心から感謝を申し上げます。