投稿者: 宮田 恵
友(とも)・・・気いつけてな
放射線科専門医を更新していくためには講習を受けながら規定に達しなけれなならない。

それで今回、神戸入りの運びとなった。神戸にはシニア野菜ソムリエ同期の高橋さん(通称 Noby)がいる。昨年はイベントに呼んでいただいた。夏の講習会は神戸が定番なので、なにかとご縁がある。
それに、Noby はちょっと筋が通っていて男気がある。
3月11日、あの東日本大震災の時、すぐに Noby から携帯に電話が入った。阪神淡路大震災を経験している彼の瞬時の判断だった。その時、私は幸運にも自宅にいた。彼からの電話に驚きながら(多分、メディアでは大きく報道されたのだろうが、私たちは確認の手段がなかった)、静まりかえり、家の周囲に車さえ通らない状況の中
「大丈夫だと思うけどよくわからない、でも生きているから」
「そうか、気いつけてな」
あたたかかった。その後しばらく、携帯電話は一切誰とも通じなかった。
そして今回、どうしても Noby に会いたかった。
居酒屋でいろいろ語った。なんだか幼なじみと話しているようだった。野菜の話ではなく、これから人生後半どう生きる?
店主の田中さん、写真向かって左、おすすめのカーリー春雨(カリーはナンバー○○に相当する言葉だそうだ)をロックでいただきながらずっと話し込んだ。
なすが食べたい。
だされた料理がこれ。素揚げしたなすにちょっとピリ辛だしと葱と肉のそぼろがベストマッチ。
すごい料理技術だ。何気なく出されたメニューに感動する。高級な料理店でなくても探せば美味しい料理は沢山ある。だから地元で人気の居酒屋に・・・とリクエストしておいた。
さすが Noby
Noby の領域は「離乳食」。栄養学ではなく食材からの離乳食。たしかに説得力ある。食べてきたものは味覚の素地になる。自分がそうだから余計にそう思う。なんと Noby はおじいちゃん。愛情のベクトルをおもちゃとかでは無く「味覚のプレゼント」。
最高にスマートでカッコいいおじいちゃん
そして別れ際に
気いつけてな
ありがとう! Noby
今日は海の日
震災後の夏、先日久しぶりに再会した友人と日本酒を飲んでいて、ふと二人で青葉城恋歌ってどんな曲だっけ?と私が話したら、歌の達者な友人は
♪広瀬川 流れる岸部 思い出は帰らず・・・
私も下手ながら日本酒の勢いで
時は巡り また夏がきて あの日と同じ流れの岸
そして最後に二人で
あの人は もう いない
と呟くように歌った
あの人はもういない夏 の人はどれだけいるだろう
今日は早起きした。いつもよりちょっと早く寝て早く起きただけだ。最近、夏バテした愛犬の散歩とゴーヤのカーテンの手入れのためだ。
スイッチをいれるとなでしこジャパン。0-0 良く頑張っているね。
散歩から帰ってきて 2-2 粘っているね

ゴーヤの手入れが終わったらPKだった。勝った。

人間力が勝っていた。戦う相手はドイツでもスエーデンでもアメリカでもなかった。彼女たちは別のものと戦っていた。
そして午後はクロステラスのミニコンサートを聴きにいった。
小原さん、中嶋先生、北田さんの三人G。こちらプロ集団。
震災直後生まれた祈りの曲は今回歌う事ができなかった。詳細はともかく、玄人になるといろいろ大変らしい。いつでも芸術家は苦悩する。乗り越えてまた人の心に到達できる何かを身に着けるのだろう。
だから彼女は変わっていた。大きく見えた。あと何年か不明だが、還暦のころ彼女は紅白に出るのではないかとさえ思えた。
なでしこジャパンと小原さんに大きなものをいただいた。
ひとつ失うとひとつ得る。ひとつ消えるとひとつ気づく。そしてまた歩き出す。
時は巡り また夏がきて あの日と同じ 流れの岸
生きていることに、生かしていただいているすべてに、今日は感謝と祈りをささげたい。



