第17回岩手県理学療法士学術大会で伊藤シェフと講演しました。
テーマは 本物の食を知ると見えてくる・健康食品のウソ・ホント
食の一次機能:栄養性、二次機能:美味しさ、三次機能:生体調節
それを満たす食は、高品質で美味しくて身体に良く、長い間食べても健康に悪影響が無い。つまり長い食経験に基づく食です。その視点をわすれてはいけません。
そもそも「健康に良い」とする根拠は、疫学調査やランダム化比較試験であり、しかも指標が数値や自覚症状です。食は複合因子であるはずですが、「難消化性デキストリン」など1つの項目に絞ったものだけが研究結果が出しやすく、説得力をもち始めます。しかしその数値が改善したからと言って、どれだけ健康になったかはあいまいなままなのです。
その成分を摂取するために添加物だらけの食に混入し商品になる・・・。この不自然さをなんとか説明しなければなりません。
伊藤シェフからお料理のデモ。自根キュウリと接木のキュウリ、味の違いを参加者代表に味わっていただきました。
サプライズで伊藤シェフにお弁当を差し入れましたよ。
岩手には美味しいくて健康増進する農作物が沢山あります。
それにしても「気持ち」だけの商品、多いですね・・・。
今年度の医食農連携事業最初のイベントをホテルメトロポリタンニューウイングで開催いたしました。
有機農業、施設栽培、慣行栽培。解っているようでいない。同じ種でも栽培法によって味わいも大きく異なります。有機農法がもてはやされていますが、実際のところはどうなのか?つくば農研機構の中野先生に講演していただきました。
どういう未来を選択するかでそれぞれの農法の長所、短所の見え方が異なる。先生の著書:有機農業インテグレ―テッドを一度読んでいただきたいです。
参加してくださった施設栽培マイクロリーフの耕野、安藤さん。いろどり野菜としてレストランにおさめています。安全で清潔、定常出荷が出来ます。メニューにひときわ美しい野菜。
自然栽培の田村さん。盛岡市近郊で自家採取し在来作物を生産しています。肥料を与えないと土地がふんわりしてボリュームが出てくるそうです。盛岡山東菜の花と安藤さん。本日のメニューには南部芭蕉菜の蕾があしらわれていました。
軽米町えごま農家さんの大村さん。認知症予防にエゴマ油と放送されてからうれしい悲鳴の売れ行きだそうです。
モンフレーブの狩野シェフ。素材を熟知し高い料理技術で素晴らしいお料理を披露してくださいました。いつも有難うございます。
野菜の違いを知るには見て触って食べてみなければならない。本日朝、田野畑村の池のほとりから採取してきたクレソン、そしてとうすけボウフウ(根は生薬)の葉、みょうがの芽、三階ネギ(櫓ネギ)どれも強烈なインパクト。安藤さんの施設栽培野菜と食べくらべ。
クレソンは施設栽培と野生化したものとでは全く異なる味わいです。
こちらのコースはウエルネスメニューとしてサービスされていますので、いつでも召し上がれます。
岩手の農家さんの層の厚さ、農業技術向上を支える科学者、それを食べて健康で幸せな生活を医療でささえること。
首都圏への人口集中はすすむでしょうが、食の生産場所、そして命をととのえる場所としての地方。医食農連携で地域交流をすすめていきたいと思います。
途中、伊藤シェフもご挨拶にいらして下さいました。
参加してくださいました皆さま、農繁期にも関わらずおこし下さいました農家さん、そしてつくば農研機構の中野先生、ありがとうございます。心より感謝申し上げます。
最後にデザートです。
次回は9月13日(日曜日)岩手の赤の食材パワー、調理用トマト、山葡萄ジュースが登場します。
昨今の食と健康のテーマはカロリーや塩分、糖質がテーマになることが多いようです。数値があえばそれでよし!であれば輸入食材でも冷凍食品でも良いということになります。
違うと主張すると相手にされない医学界。
「植物のチカラ・植物化合物」を大事にした食事療法、すなわち食品成分表には記載されていない項目を重要と考えています。薬膳、そしてフィトセラピーにも通じます。
春は芽や茎が旬。山菜でも野草でも野山に可食できるものが出てくるシーズン。苦味、アクの正体を解説。すべて悪い成分ではなく、むしろ身体に役立つ成分も多いのです。
野菜か山菜か、はたまた薬味かハーブか薬草か? 勝手に人間が分類しているだけで、どれも植物が光合成して作る成分。美味しさか機能性か薬効か、あるいは毒なのか?今回はそこに着目していただきました。
食事に先立ち講義。科、部位、フィトケミカル、体の中に入ってからは・・・
在来作物の野菜・ハーブを試食 していただきました。
1・ルッコラ(葉・つぼみ) 2.セルバチカ(葉・つぼみ) 3.浅葱 4.早池峰菜 5.コリアンダー(パクチョイ) どれもこれもすごいパンチです。
さてお料理の数々
食材のほとんどが岩手県産。味わい深くて、味を形成するさまざまな成分がぎっしりと詰まっています。カロリー、塩分、コレステロール・・・そのほかにもっと大事なことに気づきがあるでしょう。
東京でも同じスタイルでイベントを開催いたします。