東日本大震災義援チャリティーイベント
日本の元気は食卓から
に参加させていただいた。
当初、食と健康を語る立場での参加依頼であった。が、何故だか被災地に近い場所に住んでいる、という理由で、震災の現状を語る事になってしまった。会の趣旨を貫かせるためには致し方ない配役変更。
テーマは「あなたは、これから、どう生きますか?」
日本は地震、火山、台風、雪・・・自然災害とともに生きてきた。四季の移ろいと自分の命を重ねて、時としてはかなく、そして時に残酷な命の終わりを受け入れてきた。それが世界観・人生観であった。
無常・・・村上春樹氏のスピーチが記憶に新しい。
このトークショーの開催地、東京も、いつしか、もしかして今、地震が起こるかもしれない。
私たちは覚悟を決めていなければならなかった。これからも覚悟が必要だ。
今日、変えられないことは明日も変えられない。しかし問題点列記、実施すべき具体的項目は保留・・・。そのような重要事項のいかに多いことか。
会の主催者の大竹先生は、その覚悟を持っていたのではないか・・。被災地から離れた場所で、ごちそうを食べてお酒を飲んで・・・批判もあった様子だ。
それでも彼女は実行した。ただ黙っているだけでも仕方がない、まず何かの第一回・・・そう挨拶された。
トークショーの講演者は自身のポジションで、これまでの視点から揺らぐ事なしにその延長線上で語っていらした。
私が最近久しく遠ざかっていた事、「人への感動」が昨日あった。恐れおおくてデジカメを向けることが出来なかったが、醸造家の戸川英夫先生である。広島で被爆され、お姉さまをなくされたという。被ばくの身体影響にブドウポリフェノールが良い、と当時勉強されて、それでこの道に進まれたそうだ。だからなのか・・・口にするワイン全てに愛情を感じるのは・・。
最後の最後に会場の若い女性からお声かけいただいた。講演に沢山の強いメッセージを感じました。本当はもっとお話しされたい事があるのでは・・・と涙ぐまれた。
今日は主役では無いし、配役に徹しなければならない理由を感じたから。
それはそうと本日のメニュー、詳細へのこだわりが素晴らしい。
「前菜」
青森:長芋焼目含め煮、青森産帆立のムースキャベツ巻、もずくソース掛け
岩手:岩中豚赤ワイン煮、三陸産鮑バター焼
秋田:じゅん菜三倍酢掛け、稲庭素鮗オパスタ風、バジルトマトソースレモン風味
宮城:つる芋胡麻和え、気仙沼さん鱶鰭オイスター煮
山形:だた茶豆葛水仙海老巻、サファイヤ茄子田楽
福島:会津産花豆含煮、ホワイトアスパラ塩茹
お刺身 宮城、岩手近河の鰹、青森海峡サーモン
強酒 岩手産短角牛蒸し焼き、焼き野菜
お食事 鮭の炊き込み、雲丹の炊き込みの俵握り御飯
香の物 いぶり人参、林檎茄子漬け、相馬胡瓜漬け
留椀 信州味噌仕立て 滑子、若布
甘味 桃蜜煮 福島県さくらんぼ、マスカット、カスタードソース、シャンパンゼリー掛けミント
味わうごとに自分の歩いた東北の各地がぽつり、ぽつり・・・思い出される。もういちど歩いてみよう。