国内で流通するワカメは、ほとんどが外国産(中国産)です。また国内で養殖されるワカメはほとんどが購入した種を利用しています。
岩手県田野畑村のワカメは天然採種。しかもそのワカメの種類はかなり特異です。環境もすばらしく、外海で、しかも大きな河口からの水流が流れ込まない、理想的なワカメであることは研究者が調査していました。
しかし三陸産ワカメとひとくくりで販売されている田野畑村のワカメ。地域の宝物食材としの価値を再認識するために講演会、産地見学を行いました。(以前も何度かこういった試みはあったものの結果を出せていないことが不思議。このことが私を駆り立てました)。
田野畑村漁業協同組合長の中村氏から現状を説明していただきました。
そして元岩手県主席水産業改良普及員石川先生から講演をいただきました。なぜ田野畑村ワカメが「世界一なのに世界一になっていないのか」。とても興味深く、こういった研究成果が残されているのに・・・。
次が岩手大学農学部教授山下先生から「ワカメの香り成分の比較研究」。国産ワカメには海外産には無い「松茸の香り成分を持っている」。国民はただ黒いだけのワカメを食べている。これは驚きです。
クロージング・リマークスは岩手大学名誉教授西谷先生より。
交流会では羅賀荘のご厚意により、田野畑村伝統食を特別準備。
早朝のワカメ加工見学は、筋金入り参加者が集合。茹でる→塩蔵加工。初めて見る光景に全国のスローフードメンバーが感動。
課題はこれから。生産して業者にワカメを渡すだけなら、植民地と同じ。ここにしかないものを大事にしていくためには政策も取り込んでいかなければならない。チーム未来たのはたに期待しているのです。
テーマは寒くなると美味しくなる食材、寒じめほうれん草と冬の海の幸
開催に先立ち、八幡平市のほうれん草農家さんを訪問。
良い感じで締まったほうれん草がハウスの中でスクスク。
始まりの挨拶と乾杯の発声は岩手銀河鉄道の菊池社長から
寒じめほうれん草、赤軸ほうれん草、普通のほうれん草の食べ比べをして頂きました。
私の方から、寒じめほうれん草のレクチャーを。品種では無く栽培技術、これは岩手の農業技術の宝物です。健康食材としての価値を説明。ほうれん草のルテインは眼の健康維持に役立つ。現在、機能性表示の取得に向けて準備中です。
メニューは盛りだくさん。名越シェフの技術も格段に上がっています。
良い食材を楽しく皆さんで頂く。今も未来もハッピーになれるように。
「岩手の機能性食品青果物の価値を知る~農家さんが作っている機能性食品~」開催いたしました。
私のほうから「もう一度食について考える」
岩手県生命工学研究センター部長、矢野先生から「機能性食品とは」
薬剤師・杉田さんから「薬剤師は食をどのように語っているのか」
野菜ソムリエ協会理事長・福井栄治氏より「儲かる農業」
久慈市の寒じめほうれん草農家さんを交えてシンポジウム
消費者庁の機能性表示食品は健康食品関連企業のひとり勝ちの状態。一つの成分が一定の基準を超えているなら健康増進に寄与するという考えが基本の制度は100%納得できないけれど、寒じめほうれん草の丸ごとの健康価値を表現できるひとつの戦略なら、農学基礎研究、農家さんの努力と技術、すべて結集して届け出まで牽引します。
ただし!価格に反映されなければ届け出の意味は無し、その点を野菜ソムリエ協会理事長の「儲かる農業」が表現してくださいました。
会の運営などは事務局の渡邉さんが全て実施。
司会進行は野菜ソムリエ上級プロの小原薫さんでした。
実はほうれん草農家さんの圃場に10年くらい前に訪れていたのです。感動しました。