山口農園の山口さんは幼少期、自生するハスカップを母の命令で食べて美味しいも株に印をつけてくるように(一株100円の報酬だったとか)いわれ、小遣い欲しさに頑張ったとか。のちにその選抜されたハスカップを品種登録したのも、農場を引き継いだ山口さん本人です。
自生する山葡萄を選抜し栽培する岩手の農家さんと共通です。そしてワイルドベリーはアンチエイジング食材。経験的に不老不死の実とされたハスカップ、滋養のために飲まれてきた山葡萄。ここでも大いなる共通事項を感じていて、今回、ハスカップのイベントに参加させていただきました。
野菜ソムリエプロ吉川さんとの以前からの共通認識。貴重な食材の価値(今回はワイルドベリーの健康食材としての価値)を語り、そして「売る」という段階で価値を反映させること、そしてその結果、農家さんや地域がどのように変化していくのか考えるべき。
野菜ソムリエ協会理事長のブランディングやフードツーリズムの講義
ハスカップ生産者、山口さんから栽培の歴史と現状。
札幌在住の薬剤師、北大の研究員でもある中村先生からハスカップの機能性研究の概要報告(3月25日に厚真町で研究報告詳細の講演会予定とのことでした)。
「健康への寄与」の表現は、栄養性機能性の研究を理解する基礎知識が不可欠です。経験的な事実、そしてあふれるネット情報やコマーシャル。語る方も聞く方も〇〇は△△という成分を含んでいるので身体によい、ということで流しています。
そうなると△△という成分を含有した健康食品が売り出され、業者が利益を出す。類似の成分は別の植物でも作られていれば、なおさら輸入食材で間に合うのであれば利益率は高くなります。
結果、もともとの生鮮食品には思った以上の不可価値が出ないことも考えられます。
山葡萄がその問題を抱えています。機能性は種子に多く含まれていますので、山葡萄搾りかすは産業廃棄物。山葡萄の機能性研究は県内のものはごくわずか。種子にレスベラトロールや低分子プロアントシアニジンが含まれているいう研究はなされたようですが、とはいっても輸入ものの葡萄種子での商品が利益率が高いので、種子は産業廃棄物のまま。地域での産業に結び付くわけではありません。もちろん山葡萄栽培農家さんの収益が増えることもありません。
葡萄でのプロアントシアニジン研究論文は沢山でていますので、それを使用して、あたかも山葡萄で研究調査がなされたかのように、山葡萄商品の購買を誘導しているサイトもあるようです。
中村先生の研究結果をどのように地域創生に役立てるのか?
「ハスカップは女性の加齢のカーブを緩やかにする」この理由を25日の中村先生の講義を聴講された方々がどれだけ理解できたのか?今後の動向に目が離せないのです。
ブッシュマンが狩りに出るときに噛んでいた「フーディア」という食欲をおさえるとされる植物。その後アメリカで肥満改善のサプリメントとして爆発的ヒット。しかし肥満改善効果をもたらしてはいませんでした。植物はその土地の環境に適応するように植物化合物を生成します。他国で栽培して、その成分を含有するか(遺伝形質が反映されるか)、本当に食欲を抑える効果があるのか、その検証ないままに大きなお金が動いた、という事実を記載した文献を、野菜ソムリエになりたてのころに私の所にもってきてくださったのは、奇しくも「持田製薬」のMRさんでした。今、とても感謝しています。