食の機能性が注目され、消費者庁から機能性食品としての表示が許可になると「売れる」という事実から、いま機能性食品は百花繚乱の状態である。
「機能性成分」が一定以上含有していて、届け出が受理されば、タブレットであろうが、飲料であろうが、ヨーグルトであろうが、〇〇の健康に役立つ、のような表示が可能になる。
農水省の補助事業の一環として「寒じめほうれん草」のルテイン含量が眼の健康維持に役立つという旨の機能性表示にかかわる取組みを行ってきた。
青果物であるほうれん草は、なにもルテインだけが豊富なわけではない。むしろそのほかの栄養・機能性にも優れたスーパー野菜なのである。
食と健康を成功させるためには、多品目が必要である。同じ食材でも成分含量はばらつきがあるので、良い食材(高品質)のものを選択することも大事だ。
そういった内容を解説した。最後の締めくくりは「サプリメントとして摂取するより食材として摂取することのメリットを理解して欲しい」。
高品質の野菜である寒じめほうれん草は、寒さという環境で農家さんが高い技術で栽培している。ルテイン濃度も高く維持することが今回改めて立証された。
国内で流通するワカメは、ほとんどが外国産(中国産)です。また国内で養殖されるワカメはほとんどが購入した種を利用しています。
岩手県田野畑村のワカメは天然採種。しかもそのワカメの種類はかなり特異です。環境もすばらしく、外海で、しかも大きな河口からの水流が流れ込まない、理想的なワカメであることは研究者が調査していました。
しかし三陸産ワカメとひとくくりで販売されている田野畑村のワカメ。地域の宝物食材としの価値を再認識するために講演会、産地見学を行いました。(以前も何度かこういった試みはあったものの結果を出せていないことが不思議。このことが私を駆り立てました)。
田野畑村漁業協同組合長の中村氏から現状を説明していただきました。
そして元岩手県主席水産業改良普及員石川先生から講演をいただきました。なぜ田野畑村ワカメが「世界一なのに世界一になっていないのか」。とても興味深く、こういった研究成果が残されているのに・・・。
次が岩手大学農学部教授山下先生から「ワカメの香り成分の比較研究」。国産ワカメには海外産には無い「松茸の香り成分を持っている」。国民はただ黒いだけのワカメを食べている。これは驚きです。
クロージング・リマークスは岩手大学名誉教授西谷先生より。
交流会では羅賀荘のご厚意により、田野畑村伝統食を特別準備。
早朝のワカメ加工見学は、筋金入り参加者が集合。茹でる→塩蔵加工。初めて見る光景に全国のスローフードメンバーが感動。
課題はこれから。生産して業者にワカメを渡すだけなら、植民地と同じ。ここにしかないものを大事にしていくためには政策も取り込んでいかなければならない。チーム未来たのはたに期待しているのです。
みかん、もやしに続いて、青果物として消費者庁の機能性表示の認可を受けるための取り組みも後半になってきました。
1月19日開催のいわて機能性食品活用研究会の記事が地元紙に掲載されました。
久慈地区のほうれん草のルテイン値は100gあたり8mgをほとんどが超えており、データー的には十分です。あとは既定の仕組みが出来上がるかどうか。
生産者、地域住民、野菜ソムリエ協会を通じて食と機能性にかかわる講義を継続してきました。素晴らしい農作物だから、機能性表示が取得できるわけではありませんが、品質保証をどのようにしていくか、という切り口から勉強すると、これからの青果物の価値づくりが見えてきます。
久慈地区生産者の方々へ
野菜ソムリエ協会での様子↓↓
http://iwate-minceur.com/blog/?p=964
私が強調しているのは、ひとつの機能性より丸ごと食材。サプリメントで摂取するか野菜として摂取するか、どのように違うのか、についてです。
宮城県食の安心安全の消費者モニターの方々にも講義させていただきました。
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