5 a day(ファイブ・ア・デイ)

マクガバン・レポートを一度は耳にしたことがあるかと思います。その後のアメリカ合州国(USA)での予防医学の展開はとても興味深いものがあります。ご存知の通りUSAは多民族国家。そのさまざまな人々の心にストンとおさまるシンプルなストラテジーは気持ちが良い。

5 a day:「1日に5~9サービングの野菜・果物を食べましょう」は全国生活者啓発運動:官民連携キャンペーンのキャッチフレーズです。健康日本21のモデルとの事ですが、しかし模擬の割には日本の予防医学政策は、まず人々のやる気を起こさせるという手法に欠けています。
1日350gの野菜を食べましょう。一日に9200歩、歩きましょう。ストレスを持たないように、夜は良く眠り・・・・・・・・。小学校いや幼稚園のころから何度も言われていることを、またこうも長たらしく活字にし、行政の保健師軍団が講師よろしく住民に呼びかける。しかし中食・外食の需要が伸びるなか、メニュー内容を見ると自分の体の一部にしたいとはとても思えないほど不健康で「油ギッシュ」です。
身近な野菜・果物は輸入物に置き換わり、特定機能食品の市場は伸び続けています。

たまたまニューヨーク(NY)に5日間滞在する機会がありました。NYは3.5人に一人がUSA以外の出身者の街。多国籍料理が癒合し、ファースト・フード店ではバッフェ形式の量り売りで簡単にテイク・アウトできます。驚くべきことにどの分野においても野菜・果物はメイン料理を凌ぐほどの存在感がありました。
カフェにはボウル一杯のグリーンサラダが山積みに。牛丼屋の丼もの上半分がなんと温野菜。そして日本では嗜好品あつかいの果物が、立派に食事の一部なのです。あまり甘くない分、食べやすい。
官の食品産業界への指導なのか、あるいは民がそれを選び市場を発展させるのか?しかし方向性は一致している。以外に英語が通じないこの街で5 a day は確実に浸透していました。
都会の真ん中の広場で開かれた市場(マーケット)では色とりどりの野菜・果物が、規格関係なし、包装一切なしの状態で山積みされていました。「USAは世界のパン籠」と呼ばれているらしい。納得。かたや日本の食料自給率はカロリーベースで40%。日本ソバの70%は中国からの輸入で、その中国もすでに食料輸入国となっていることを何人の方がご存知でしょうか。
若年層でも目立つ動脈硬化所見。急速に進化する画像診断で、見えなかった物が見えてきたのか?あるいは動脈硬化がここまでも若年層に進行しているのか?理屈抜きに次の食事は野菜メニューを選びましょう。もちろん国内産の野菜に執着を。その選択は未来を選択しているのです。

もし野菜・果物の予防効果について疑念がおありでしたら、ぜひ文献検索を。多くの疫学調査報告がヒットするはずです。

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ニューヨークの市場

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カフェの野菜サラダ

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岩手県の産直でみつけた地野菜の数々。きれいですよね。

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