品質から語る最適な食事治療と「Boire un coup!」

医療での食事療法は食品成分表と栄養学が基本ですから、その指導は単位とかグラムとかカロリーとか、かなり味気ないモノです。加工品のパッケージには糖質、脂質、塩分などなどの記載があり、体重増加や生活習慣病の方々は数値で食を判断しているありさまです。食と健康の分野が注目されていますが、タニタ食堂とかバランス弁当だとか、美味しいは関係ない数値の優等生の食事がもてはやされていて、なんだか残念です。数値あわせの食・食材コストから選択されるのは輸入食材。日本人の多くが外国の食で身心を構成しています。

 

素材の良しあし、すなわち品質から食を見れば、それは大地や海へと思いは馳せます。とれたて新鮮野菜、森林からの山菜やキノコ、近海魚、海藻、それには成分表には記載のない、さまざまな植物化合物・成分があふれています。それを美味しくいただくのが料理です。

 

皆で集まってワイワイ飲んだり食べたり。近年、その食文化はどんどん衰退し、できあいの食をテレビのリモコンやスマホの前でかきこむ人々のなんと多いことでしょう。仕事の合間に食べる食、心が豊かになれるはずもありません。もちろんそのスカスカの中身のない食は確実に身心をかえてしまします。食が病気の要因なら食事で治療すればいい。数値だけ正常値にしようとする医療は、結局、薬物治療の治療実績(データー)にたよることになります。

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秋田県北秋田市のボア・アンクープへ。フレンチ・レストランです。紹介いただきシェフとお電話でちょっとお話をして、なんだか只者ではなさそう・・・土地と人と食を確かめたく、今日にいたりました。

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根野菜のスープ。ジュンサイが浮かべてあります。最初ほわっと、あとからちょっとピリリ感のところにジュンサイがするりと入ります。

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お魚料理、ニンジンが美味しい。魚の下には大麦が。

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パンも全粒粉・ライ麦。

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デザートはバナナの焼き菓子にバニラアイスと地元のブルーベリー。表皮が薄くて優品のブルーベリーは同伴の秋田市の野菜ソムリエさん持参です。

この味わいと栄養の密度の濃さ!!食べた後、身体に貢献してくれる食は数値ではないはずです。

どしりとした個性が魅力のシェフに、とても大きなポテンシャルを感じます。

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調度、生産者の方が食事をされていて、その方の職業はマタギ。山菜、キノコ、ジビエ・・・首都圏の飲食店に発送しているそうです。シェフをまじえて皆さんで地元食材や地域の食を語り、笑顔で時間は過ぎていくのでした。

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先週、医師の会で講義させていただきました。

 

素材の美味しさ、素材の成分(特に機能性)の身心への影響、腸内環境への影響などなど・・

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そして美味しい野菜を懇親会のメニューに反映させて、医療を行う方々が食材の品質まで知るようになると、処方箋発行だけではない食からの治療が推奨されるのではないか、と考えております。

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食と農を語る医療人の会。第2回は9月11日(木曜日)赤の食パワーです。皆さんにお声かけさせていただきますね。