投稿者: 宮田 恵

第4回秋田美肌研究会:秋田美人の謎 新野直吉先生をお迎えして

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かねてから希望の秋田大学名誉教授で「秋田美人の謎」の著者、新野先生をお迎えして講話を頂きました。大変有名な先生なのですが、会の趣旨に賛同してくださいました。本当に感謝いたします。

秋田美人は知られた事実。先生は文学者としての立場からこの本をお書きになったのですが、その後、化粧品会社の基礎データや医学者による遺伝子学的調査により、この本の書かれていることが単なる物語ではないと、最近また注目されるようになったのだそうです。

秋田美肌研究会の信条の一つ「秋田のDNAを大事にしてほしい」はピタリとはまります。

講話の前に、皆さんで集まっておにぎりやファイトケミカルスープを作り、にぎやかに会食。

もちろん美人のDNAは美男子のDNAもあってこそ脈々と受け継がれる訳でして。秋田ベジフル会長さん(男性)も写真のごとく、かなり甘いマスクです。

なんといっても秋田の皆さん!性格が抜群に良いのです。これも美人・美男子(この表現でいいのかなぁ)の大切な条件ですね。

地域の魅力は自然(環境)と食とそして人。北東北の観光のアドバンテージを持つ県は秋田なのかなぁ・・・と強く思うこの頃です。

滝沢村食育推進のつどい

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滝沢村、JA新いわて、JA新いわて女性部、滝沢村食生活改善推進連絡協議会、滝沢村生活研究グループ連絡協議会主催の食育推進のつどいでお話させていただきました。タイトルは「食の選択・未来の選択」

比較的年齢の若い方々の参加も多く、質疑も多数いただきまして、会の趣旨や参加者の意識の高さにこちらも改めていろいろな事を勉強させられました。

盛岡農業高校のプロジェクト研究発表雑穀パンは写真の通り本格派食事パン。酵母と雑穀の生物活性と科学反応を分析応用し、計算ずくでダイレクトに食味に結びつけた点は脱帽もの。感想話すと、「これからも研究したいので何でも要って下さい」「自分が出来ることはなんでもしますのでいつでも言って下さい」これには正直驚いた。この年齢ですでに世の中のためになろうという心意気がある。試験勉強にあけくれる学生諸君!その勉強をぜひ世の中のために結びつけるように、と言いたい。

そして昼食。地元の食材を丁寧に料理したメニューの数々。すっきりお腹におさまりました。

パンですが、まさしく食事パン。表皮のパリパリ感、中の自然な空気の入り方とかむことで感じるほのかな甘み。「菓子パンがパンと思っている人には勧めないでねーー」

人も食材もすがすがしい滝沢の1日でした。

安心の価格~県立病院無床化の議論

県民感情と医療サイドのスタンスに県知事が板ばさみになっている。県知事の決意と実行力に敬意を表します。

無医地区になるわけでもなく、医療レベルが下がる訳でもない。

これまでの医療を確保しようと努力を続けてきた県政への感謝の気持ちは無いのだろうか?医療サイドの意見は語られていないが、どうも肝心な点は「人として」にありそうだ。

県北沿岸は比較にならないほどの医療過疎である。充実されたことは無い。先日大学病院で画像診断をしていた時、画像の所見から名前を見なくてもかつて担当していた患者さんと解った。幸いそれなりに安定しており安堵する。かつて地域医療をしていた際、同様の治療を受けていただくために県立病院の制度や医療資源をフルに利用した。それが大学病院まで治療を受けにくるということは・・・・現場の状況が良く解る。

診療所で自身が決断・実行したことは、今の県立病院の問題には及ばないものの共通の事項がある。24時間診療所をopenしない、その分訪問看護ステーションを設置して、必要な方が受益者負担で医療を受けていただければ良いと考えた。自治体開設であるから住民サービスの低下(サービスとは無料奉仕に近いものがある)はすぐに議会に質問が提出される。議員で診療所を利用する方は少なく、大抵は県立病院を利用しているし、収支がどうなっているか(病院会計システムに則っていない)を熟知する人はいない。補助金やら人件費(断りたくても役場から派遣される事務長クラスの人たち)、誰も考え無い運営方針。

スタートは総額4~5千万円の年間赤字だっただろうか。5年間で少しでも減らすことが使命だと思った。なぜなら合併を選ばない市町村が今後どのような経過を辿るか想定できていたからだ。継続可能な地域医療を提示するために、最低限必要な地域医療を「ゼロ設定」し、そこから採算の合わない住民サービスのための医療を「安心の価格」として議会で論じて欲しかった。

まずは薬局の整理と処方の簡素化から始めた。薬剤師のいない診療所。言わずもがな状況は把握できるであろう。それから最初の一年は24時間診療依頼に応じてデータを収集した。本当に必要な患者さんはごく僅か。診療に応じていると「住民の甘え」が見えてくる。ちなみに救急車を受け入れるほどの医療設備もスタッフもいない(看護師3名だけ)し、そこは救急隊員のほうも理解している。救命救急士さんの活躍も目覚しかった。夜間急患を受け付けることを止めた。

そして電子カルテを導入、事務の簡素化、事務長は保健師から生え抜きの業務実践者。これが強力な味方になった。2年経過し大幅な赤字ダウン。ところがここで驚きの国からの補助金システム。赤字分の何割かが補填されるしくみがあった。よって赤字が減った分補助金カット。見かけ上収支が悪くなったように見える。そうすると議会で叩かれる。赤字をつくってお駄賃がもらえるなんて・・・。これじゃ役場職員を貼り付けて少しでも人件費分を浮かせようという気持ちにもなるか・・。

しかし少ない看護師それから保健師に夜間勤務を強いるほうが実に問題あり、なのだ。隣町の病院の院長に事情を説明した。とにかく周囲の医療機関と連携することが最重要課題。そして日中はフルに働き、住民の健康作り教室、知り合いの先生の善意で出来た特殊外来、AED講習会、学校保健、予防接種、訪問診療・・・それでも中には優秀なスタッフもいて身を任せて仕事が出来た。

自宅まで押しかける患者さんも多かったが、精神疾患のかたから脅しを受けたときは身の危険を感じ、両親にまで多大な心配をかけてしまった。そして健康を害して緊急入院。

最終的に辞職のときはさまざまな事をはぎ落とし、診療所として持続可能な赤字200万円/年間にまで減少していた。だれも賞賛しなかった。話題にもならなかった。規模縮小という事実だけが残った。

話を元に戻したい。

その大学病院で画像診断で再会した患者さん。診療、検査のたびに「ありがとう」の言葉を忘れなかった。どんなに励まされたことか。ここに医師と患者ではなく、人と人の信頼関係の大きさを強調したい。

本当に必要な医療は?。誰でも医療を受けられるというこの幸せを感じている国民はどれくらいいるのだろう。

                                         

 Again, I respect you.  2009/3/7