被災地での「幸運の自己血糖測定器」のお話
被災地の仮設診療所で患者さんから伺った血糖測定器(以下SMBGと略します)のお話。

SMBGの為の機器はこういった掌サイズのもので、指先などに細い針を使用して血糖を自分で計測します。これは私が持っているSMBG.
さて、その方はインスリン自己注射を実施している方。震災に限らず、非常時その他どんな時にも糖尿病治療に必要なものは一つにまとめておいてあったそう。震災当日は近所を散歩していたそうですが、避難指示が出てすぐに自宅にもどり、非常時持ち出しバッグを持って高台へ。しかしSMBGの機器はバッグからいつの間にかこぼれ落ちていたのだそう。
その後別の機器を使用していたそうですが、使用法が少々違っていて測定に難渋していたそうです。
それが1か月後、地元の幼稚園児が、とてもきれいで素敵でしかも名前が記入されていたポーチに入ったSMBGを岸壁よりの場所で見つけて、その後ご本人のもとへ届けられたのだそうです。
今日そのSMBGを「これなんですよ」と。津波にもまれても中に水がしみ込まず、壊れることなく現在も毎日使用しているのだそうです。
戦争のようでした・・。その方は最初にお話しされました。
私は何十年も糖尿病とむきあってきましたが、体調を崩さない様に身体を気づかい、つねに「何かあったら・・」を考えながら生きてきたのが今回とても役にたちました、周りの「もの」はほんとうに全てなくなりましたが、自分と家族と、そしてこの自己血糖測定器は残り、ひとの暖かさや支援してくださる沢山の方々の「ひと」という存在が今の自分の全てなのです。
糖尿病の自己管理は人生も良い意味で管理できるのですね。そう思いました。被災地された方々から、今日も多くの事を学びました。
宮城食育アドバイザーをしている。こちらの県は食育のシステムが良く構築されていて、
http://www.pref.miyagi.jp/kensui/syokuiku/sokuikuouendan/adobaizamain.html
食育アドバイザー(私)がかつて食育コーディネーターに講義をしたときがご縁で講師指名となったようだ。食育としての講演・講義は宮城県の方が多い。岩手県の高校生への食育は研究でしたからこちらからの「おしかけ」に過ぎなかったわけで・・。

園児による「はやね・はやおき・あさごはん」は宮城県食育のキャッチ・コピー、それに歌と踊りがついた。いや~子供はいつの時代も可愛い。

食育推進の会長さんのご挨拶。宮城の女性は聡明な方が多いのですよ。
90分講演で結構大変。それにこういったオープンの講演はどのような方が来ているのかは予想しきれない。そのようなときは動画・歌曲を準備する。
イベント後、食育関係食生活改善関係の方々がそろって反省会を。その場にも出席、と言われたので参加。アンケート用紙を見せていただいた。大絶賛と反対の意見。私の場合は必ず二極ある。しかし今回は歌に救われた。
「難しい、専門用語が多すぎる、、色々。最後に、歌はとても良かったです」
一方、会場には遠路、私に会いにきてくださった方が2名いた。これはありがたいです。本当はもっと色々お話ししたかった・・・。
この地には親戚がいたのです。相変わらず美人です。
ちょっとだけ残念だったのがお昼のお弁当。
この町でずっと医師として勤務されている、自治医科大学1回生の先生とお話できたのは貴重でした。
よい1日でした。ご縁に感謝です。

独立行政法人:農研機構主催のこの会で、基調講演をさせていただきました。
http://www.naro.affrc.go.jp/event/brand_nippon/list/brandnippon/2011/index.html

これまではご高名な方々が講師をされたようでしたが、今年は東日本大震災の後、ということで、岩手県産の私に講師指名が・・・。食品のみならず講師までもが被災地支援?という事かもしれません。
講演タイトルは

日本文化再創造の幕開け「戦後そして大震災後へ、医と食からの提言」
これからの中高年世代の暮らし方が日本を変える、それはすなわち文化。これまでの日本の文化(食、地域、ヒト)をさらに磨いていきましょう、という話でしたが、医療や終末期のありかたなど、参加されている方々がこれからのご自身の人生を考えながら、楽しんで聞いてくださればいいと、それだけを念じながら1時間お話させていただいた。
日本ブランドは日本人ブランドでもある。そこが私のキーテーマ。最後の言葉は
放射性セシウムの半減期30年後、日本の人口が2/3 になるその時に、美しい日本がここに残りますように・・・。子供たちに未来を!
その後、下記の項目につき、各研究者からのご発言。
- たくさん穫れて美味しい米「あきだわら」
- 甘くて香りの良い黄色系リンゴ「もりのかがやき」
- 色鮮やかで、栽培しやすいハクサイ新品種「あきめき」
- そのまま食べてはもったいない、クッキングトマトの新品種「すずこま」
- 森からいただく天然資源、シカ肉
- 亜熱帯育ちの「石垣珊瑚(パパイヤ)」と山育ちのシーフード「バナメイエビ」

にたきこまの進化系、すずこまを盛岡の東北農研の由比先生が紹介。小さいが調理用トマトでも生食でもOKだそう。これからが楽しみ。



ほかの品種も第二部で試食できるとか。喜び勇んで向かったものの、有り難いかな・・・参加者に話しかけられてあまり食べられなかった。特に心残り、シカ肉を食べそこなってしまいました。

「すずこま」の土佐煮、だけは食べた・・・けど、いつも「調理用トマトにたきこま」でトマト味には贅沢をさせているわが身、満足できない!
独立行政法人そして農水省。この図式を関係者の人々と接して、実感できましたこと、最大の収穫でした。

お土産の、最新作「銘菓かもめのたまご」。小麦粉が専用に品種改良したものだそうです。ここまで来ると米粉でも新種の小麦粉でも関係ないなぁと左利きの私は思うのです。
まだ食べてはいませんが、こういったもの(カレー)もあるよう・・・です。なかなか面白い1日でした。
ともかくも、貴重な経験をさせていただきましたこと、農研機構には深く深く感謝を申し上げます。それから沢山の方々との出会い、最高にハッピーな1日でした。