投稿者: 宮田 恵

糧と生業

執筆しました。

http://narc.naro.affrc.go.jp/chousei/shiryou/kankou/keieit/img/249/p01.pdf

 

美食は文化

 

 

 

 

 

 

 

野菜は身近で安価、ごちそうではない・・・そう考えている人も多く、特にここ岩手では野菜はありふれた食材。その壁をうちやぶり、野菜を全面にうちだしたディナー会を開催したい、と相談されたのが岩手県花巻市・ホテル花城。こちらの1階のレストラン・マグノリアは地元に根強いファンを持つという、隠れた名店です。花巻は空港も新幹線駅もある稀有な場所。この食を食べたい、と観光客が目指してくるようなレストランが必要と、以前から感じていました。観光客の食への期待度は地域全体を底上げします。私は文化を創りたいだけ・・・。安くて便利な食は日本人を幸せにしません。

 

美食は美食。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

美食は支援する人が必要。つなげる役割を感じます。

 

 

 

 

 

 

 

 

平泉世界登録を受けて、世界の舞台に躍り出るレストランは岩手には数限られているが、若く努力家で、そして謙遜を忘れないシェフの渡部氏の創る新しいフレンチ、世界へ発信させたい。

以前の記事

http://doctor-ls.com/2010/1113/1456/

 

http://doctor-ls.com/2010/1230/1497/

 

 

幸運の自己血糖測定器

被災地での「幸運の自己血糖測定器」のお話

 

被災地の仮設診療所で患者さんから伺った血糖測定器(以下SMBGと略します)のお話。

 

 

 

 

 

 

 

 

SMBGの為の機器はこういった掌サイズのもので、指先などに細い針を使用して血糖を自分で計測します。これは私が持っているSMBG. 

 

さて、その方はインスリン自己注射を実施している方。震災に限らず、非常時その他どんな時にも糖尿病治療に必要なものは一つにまとめておいてあったそう。震災当日は近所を散歩していたそうですが、避難指示が出てすぐに自宅にもどり、非常時持ち出しバッグを持って高台へ。しかしSMBGの機器はバッグからいつの間にかこぼれ落ちていたのだそう。

 

その後別の機器を使用していたそうですが、使用法が少々違っていて測定に難渋していたそうです。

 

それが1か月後、地元の幼稚園児が、とてもきれいで素敵でしかも名前が記入されていたポーチに入ったSMBGを岸壁よりの場所で見つけて、その後ご本人のもとへ届けられたのだそうです。

 

今日そのSMBGを「これなんですよ」と。津波にもまれても中に水がしみ込まず、壊れることなく現在も毎日使用しているのだそうです。

 

戦争のようでした・・。その方は最初にお話しされました。

 

私は何十年も糖尿病とむきあってきましたが、体調を崩さない様に身体を気づかい、つねに「何かあったら・・」を考えながら生きてきたのが今回とても役にたちました、周りの「もの」はほんとうに全てなくなりましたが、自分と家族と、そしてこの自己血糖測定器は残り、ひとの暖かさや支援してくださる沢山の方々の「ひと」という存在が今の自分の全てなのです。

 

糖尿病の自己管理は人生も良い意味で管理できるのですね。そう思いました。被災地された方々から、今日も多くの事を学びました。