2月3日は秋田県H26年度食育研修会・地産地消交流会で講演させていただきました。
演者の地産地消デリカテッセン紅玉の高橋様、学校給食日本一の五城目第一中学校の管理栄養士の方と記念撮影。
私のタイトルは「いのちの傍らに花・野菜」。生産して食べ生きていく事を、私の視点からお話しさせていただきました。今回は研修会でもあるので、野菜・果物の味・風味と健康への寄与について詳しくお話しさせて頂きました。
会終了後、ご高齢のご婦人おふたりが、とっても良かったです、気持ちに到達しました。とお声掛けいただきました。
今回は県庁からの依頼でしたので(部長さんのお名前2人からの依頼状)、はじけること無く1時間。秋田の未来に何か響くといいなぁ。
1月31日は紫波町学校保健大会で講演させていただきました。
岩手で生まれ育ち、とても良い教育をうけさせてもらいました感謝の気持ちをこめて、日本のこれからのあり方を食の視点から進言いたしました。後にいただいたアンケートのお言葉の数々、大変有り難く、深く心に留めて明日からもがんばります。
8年前、マスターソムリエの方から、「そのままでいいのに・・」とアドバイスいただいたことがあります。だからそのままに本音で、なぜなら「タブー」の中にも物事の真髄があるから、だからこそ、そこに「まごころ」を込めて、お仕事に反映させていきたいと思っております。
寒じめ栽培を施した寒じめほうれん草は美味しく、栄養性・機能性も優れている、という事実はすでに東北農研機構での研究や調査で明らかになっていました。
しかし、品種改良でカタチだけ縮んだほうれん草が関東圏エリアで量産されており、寒じめほうれん草は価格競争でとても不利です。
寒じめ栽培により栄養価・機能性が向上するので、それだけで価値があります。積雪地帯での栽培は管理するほうもかなりの労力が必要で、価格に反映されないため栽培農家さんも少なくなってきました。
良い野菜を栽培して欲しい。価値を創造するためのイベントです。
6種類の寒じめ栽培ほうれん草、県外の縮みほうれん草2種、これらをブラインドで食べ比べて一番美味しいを投票していただきました。
参加者はシェフや野菜ソムリエさん、農家さん、流通の方、それぞれ違いのわかる人たちです。一般の参加者でも昨年の寒じめほうれん草勉強会に参加してくださった方も多く、審査員としては申し分ありません。
結果は岩手県八幡平市の農家さんがNo.1でした。数日後圃場を訪ねました。
ハウス周囲の除雪が何より大変。この寒さがあってこその栽培技術なのです。
毎日ほうれん草を食べるとして、価格は同じでも栄養価・機能性が半分だったら・・・健康への影響も違った結果となるでしょう。
寒じめ栽培ほうれん草は岩手県の自慢できる健康食材の一つです。
いのちを耕すお台所~医食農連携で生涯秋田美人~と題して講演させていただきました。
[講演内容] 秋田県農山漁村生活研究会グループ協議会50周年を迎えられましたこと、こころよりお祝い申し上げます。生きてきた時代をふりかえりますと、日本も世界もそして食環境も大きくかわりましたが、それでも働いて食べていく・生きていく事は普遍的で、いっそう大切な時代になってきたと思います。 高度経済成長の数十年間、私たちは物事の本質や正義を判断し問題解決をしていくことを怠り続け、美しい自然環境、美味しい食、健全なこころと体を見失ってしまいました。気がつけば人口は減りはじめ、北東北の高齢化率は類をみません。 農家さんの高齢化も、強い農業の側面から問題視されがちですが、長い経験をもとに生産された農産物は品質が高く、地域の伝統食・発酵食品の製造現場、農家レストランなどで元気に働くシニア世代を沢山みうけます。 「生涯秋田美人」のためには健康長寿が必須です。加齢に伴い高血圧症や糖尿病、骨粗鬆症、関節疾患、認知症、がんなどの疾病も増加します。ただし治療中の疾患の有無に関わらず、加齢の下りのカーブを緩やかにすることは有益で、内服薬を減らす事やピンピンコロリの達成にもつながります。なかでも毎日の食事は特に大切です。保険診療で実施される食事指導のほとんどは、カロリーや塩分など食品成分表の数値をもとに行われています。これですと輸入食材でも加工食品でも、数値があえば治療食、予防食です。一方、抗加齢医学では、抗酸化、抗糖化、脂質バランス、腸内環境から食をとらえています。すなわち野菜果物のフィトケミカル、まるごと頂く未精製穀類、ω-3脂肪酸、発酵食品や食物繊維豊富な食材を抗加齢食として推奨しています。これに匹敵するのが、新鮮な野菜果物、魚、健全に飼育された畜産物、豆類、味噌などの発酵食品、まさに秋田県の農水産物です。フィトケミカルは植物性食品の味、香り、色に関わる成分で、収穫後ただちに減衰していきますから、地産地消の食生活は疾病予防や抗加齢にアドバンテージであるのです。特に腸内環境のよしあしによる老化促進や疾病とのかかわりの研究がすすむにつれ、自然に近い食品をいただく事の重要性が再認識されています。これは加工食品や出来合いの食では実現できません。良い作物が育つために良い土壌にすることと同様、よい腸内環境のみなもとは「いのちを耕すお台所」にあるのです。冬期間の保存食に塩分が多くなることはいたしかたありませんが、くふう次第で解決は充分可能です。 資料2は医食農連携の概要図です。生産現場・食産業・医療福祉それぞれの距離が縮まることの大きなメリットと、そしてその中心は食を準備する「お台所」であることを強調いたします。医療が食への理解や関わりを強くしていく事がこれからの課題です。 秋田県のキャッチコピーは「ユタカな国へあきたびじょん」、岩手県は「黄金の国いわて」、宮城県は「美味し国」と共通の理念、つまり「生産し食べて幸せに生きていく事」です。高齢化社会において多くの方が社会保障費に頼らず、生き生きと働く社会にその理想郷があります。東京オリンピックの開催が決まり、伝統的日本食文化や農山魚村の景観に、食産業や観光業界が注目してきました。経済活動の方向を舵きりし、美しい日本、美味しい食、健全なこころと身体という大きな遺産を、次世代に残せることを願っています。
会場300名の方々は生産し食品加工し家族とともに地域で暮らす方々。会場と一体になったかのような講演。貴重な経験をさせていただきました。
秋田県の伝統を継承していくキーパーソンと岩手の在来作物を手にしての記念撮影。北東北の手つかずの自然や中山間地帯の景観、温泉、人々、伝統食・・・・観光へと発展させて高齢化社会をむしろ享受して美しい日本を後世にこのしたいと思います。