お野菜処方いたします。

やる気をひき出す「みため」の食育講義

高校の先生方へ食育に関する講義を行いました。タイトル:やる気をひき出す「みため」の食育講義

 

 

5年間でのべ1800人の高校生に講義を行って感じた事は、食と健康の切り口では、ほとんどの高校生が見向きもしない。総合学科などで食の分野を目指す高校生は基礎知識があるし、将来に対する自身の心構えもあるので、たいそう熱心に聴講してはくれたが・・・。

 

最も食育講義をしなければならない、すでに人生を投げ出しているかのような無気力な高校生たちの意識をどう向けるか・・。なかなか大変である。

 

アンチエイジング医学会でも「みためのアンチエイジング」分科会が存在して、その研究会の講義で聞いた、形成外科大学教授の「美の哲学」は素晴らしかった。高校生に哲学を語るわけにはいかないので、ともかく、きれいになる、かっこよくなる、頭がよくなる・・・などの切り口で食を中心としたライフ・スタイルを語ることの意義を説明した。

 

ただしこういった内容は1/3位でとどめ、高齢化社会での大人たちの心がまえをお話させていただいた。高校教師の方々もほとんどがアンチエイジング世代である。

 

私が高校生の前で講演するよりも、高校の先生方が「継続して」講義を行い、スキルを高めて欲しいと願っている。別の高校からも問い合わせが来て、やっと動き出した感じだ。でもステップはやっと1段あがった、そういう感じです。

 

暮すように診る

 医療と野菜(食生産)の癒合をめざし、それにブレは全くなく、さまざまな領域の方々と同じ目標を持てるようになってきた今日このごろ・・・・

 

 

 

 

 

 

 

書籍の中から、看護、という雑誌が出てきて

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その中に、地域医療をしていた時に巻頭特集として取り上げられた記事が。

地域を「診る」という事は、あらゆる人的資本を活用していかなければならない。女性の力の大きさを感じ、ひときは輝く彼女たちのような日本女性を増やしていきたいと思いました。

それは専門職だけではない、地域で暮らす女性たちでもあるのです。

 

暮すように診る

かつてのテーマでした。そしてさらに高齢化社会がすすんだ今日、経済活動も緩やになる、良く捕らえれば成熟した社会、日本食文化を再創造し(古くてよいものを磨く)、世界へ発信することが観光や産業に通じると信じています。

自分が出来る事は日本食文化を健康食として定義づける事、その対極に健康的では無いまがい物のの日本食の存在も評価することです。

日本食文化世界遺産登録は地域の暮らしであり食文化であり、そして人という財産です。高齢者の活躍の場を見出せそうです。その「働く、機能する」方々を支える医療人でもありたい、そう願っています.

先日、農水省が開催した日本食文化ユネスコ世界遺産登録への取り組みについてのシンポジウムが開催されました。

http://yasaioh.shopdb.jp/2012/05/blog-post_22.html

課題満載です。

 

 

 

 

 

ブラジル版「アリとキリギリス」

ブラジル版「アリとキリギリス」にみる人間の価値観の違い。

三砂ちづる氏がタッチハンガーで紹介しているそうです。

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青いドレスを着て、髪が長くきれいにお化粧をしたキリギリスの歌う舞台の前には多くの虫が集まり、キリギリスはいかにも人気の歌姫という風情です。集まった虫たちの表情はうっとりしていて、キリギリスがいかに力量ある歌い手かを連想させます。

 そのそばではエプロンをかけた働きアリがせっせと食物を集めています。アリはこの忙しいのになんでみんな呑気に歌なんか聴いているのだろう、と冷ややかな目で舞台のほうを見ています。まして、歌い手のキリギリスに温かい視線を注ぐことなどできやしません。よくみんなこんなに暇でいられるな、とばかりにありはせっせと食べ物をため込みます。

 キリギリスは、昼間は太陽の美しさ花の美しさを歌い、他の虫を喜ばせます。アリは自分の運ぶ食べ物のことばかり考えています。夜、キリギリスは星の美しさをたたえて眠り、アリはどのくらい食べ物が貯まったかを考えて眠ります。

 日々はそのようにして過ぎていきます。

ある日、キリギリスは草原の舞台で歌っていました。「アリさん、どうぞここにいらっしゃいよ。あなたのために歌うわ。なんて美しい秋なんでしょう!!」。アリは「実りの秋で忙しいのに、そんなことしていられないわよ」と怒ります。

 さて冬がきて食べ物がなくなり、惨めに倒れたキリギリスはアリの家に行き、食べ物を求めます。

アリ「わたしが一生懸命働いていた時あなたは何をしていたの?」

キリギリス「人生の美しさ、友情と、すべての虫の連帯の美しさを歌っていたの。わたしの歌は子供たちを幸せにして、恋する若者たちの心を燃え立たせたわ」

それを聞いたアリは、はっとしてキリギリスへの非礼をわびました。「ああ、わたしは自分のことばかりにかかりきりになっていた。あなたはそうやってみんなを喜ばせてきたのね・・」

 アリはキリギリスを温かく迎え入れ、美味しい食事をふるまい、それから冬じゅう二匹は友情の美しさをたたえて、踊り暮らしましたとさ。

 

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 日本の価値観では、アリの生き方が正しいと教えられてきたと思います。それより携帯電話にだけお金をつぎ込む若者が幸せそうにはみえないのです。

 

医療でも「今を生きるキリギリス」への生活指導は時としてやっかいですが、血液検査データが少々悪くても毎日楽しそうに生活している方へは、それでいいのでは・・と大分前から思うようになりました。そうしてまごころで診察すると、患者さんも答えてくださるようになります。