仁術

緒方 洪庵(おがた こうあん、文化7年 – 文久3年)は日本の医師、蘭学者です。大坂に適塾を開き、人材を育てました。天然痘治療に貢献し日本の近代医学の祖といわれています。幕末から明治維新にかけて活躍した人材を多く輩出しました。

抗加齢医学講習会の受講の前に立ち寄ることに。見学者は医師の方が多い様子。メッカのような場所なのでしょう。洪庵先生は物静かで声を荒げることはなかったそうです。

熟生が過ごした2階への階段は一段一段が高い。

自身で調薬もおこなったのでしょう。あこがれます。そういえば自身、水戸黄門のテレビドラマで生薬を煎じる様子から薬剤師を目指したものでした・・。

 

当時は貴重な医学書。今は大学病院の書店に行くと国家試験対策のチャート本が目立ちます。昔は医学書を熟読したのでしょうね。岩手からは4名が塾生でいらしていたようです。寝食を供にし、密な暮らしから、人としての振る舞いなど大事なことを学んだのでしょう。今は学生寮は個室が基本です。

そして医師としての心構えが書かれた扶氏医戒之略 (抜粋)

1医の世に生活するは人の為のみ、おのれがためにあらずということを其業の本旨とす。安逸を思はず、名利を顧みず、唯おのれをすてて人を救はんことを希ふべし。人の生命を保全し、人の疾病を復治し、人の患苦を寛解するの外他事あるものにあらず。

学術を研精するの外、尚言行に意を用いて病者に信任せられんことを求むべし。然りといへども、時様の服飾を用ひ、詭誕の奇説を唱へて、聞達を求むるは大に恥るところなり。

 

最近の傾向、どうしたわけだか、在学中は倫理などはあまり教えることなく、どうしたら間違わずに診療規則に則って病気を扱うか、だけ教えられます。だから受験を勝ち抜いてきた人が優秀な医師に育ちます。

 

洪庵先生は天然痘の予防接種の普及も行なったそうです。新しいことを行なうには社会との戦いです。強靭な精神を感じます。そして予防接種が本当に効果あるのか?接種した医師の首をかけます、という証明書を発行させていたらしいです。潔い。

 

見学のあと心に残ったものは、最近の政策アベノなんとか・・ということに世の中はフワフワし始めているけれど、お金になる、ならない、ということから選択する人ばかりで、治すべき病が置き去りにされているのかな・・。

 

それで、ちょっと原点に帰りました。早速、来年度の食育講義依頼を頂きましたので、病気を作らない活動、これからも頑張ろうと思います。仁術、という大きな命題を緒方先生からいただいたような気がして・・。

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