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味覚教育

自然の美味しい素材を食べていれば味覚教育はさほど必要ないと思われますが、世の中には、くちに入れた瞬間「美味しい」と錯覚をおこしてしまうつくられた食が沢山存在している現代、子どもに気づきを与えることはとても重要です。

 

スローフードジャパンのメンバーが韓国で行った味覚教育はとても素晴らしいものでした。

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学習院女子大の品川教授(通称シジミ先生)

 

甘い、酸っぱい、辛い、しょっぱい、苦い、うまい

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五感を使って味わうこと「鼻でかいで・目でよく見て・耳で聞いて・手で触って」

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参加した親子はみるからに家庭水準が高そうで・・・韓国の受験戦争はそれはそれは厳しいようです。

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品川教授のとなえる4つの心

ありがとうの心

いただきますの心

ごちそうさまの心

もったいないの心

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ここに味覚教育のゴールがあるのでしょうね。

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一方、外でジャンクフードを食べる子供はすでに「メタボ体型」。

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そして山形の岡田先生(通称紅花先生)の食品色素の授業です。

 

紅花 Safflower は山形県の花。食用・薬用・染料に利用されます。女性の「口紅」は女郎さんや舞子さんが使用しますが、たいそう高価なものらしいです。

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紅花先生はもと中学の理科の先生。身のこなしはさすが。

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色素が抽出されると子供たちの目はイキイキ。

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食を美味しく見せる食品加工は食品業界の重要なポジションです。

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そして別のエリアでは発酵と味覚のレクチャーが開催されていました。

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パン酵母、モルトビール、バルサミコ、魚醤、醤油、ヨーグルト、チーズ・・・大量生産でまがい物も多くなり、真の発酵食品を探すのも困難な時代、こうしてまとめて講義をうける機会が何度でも欲しいものだと思いました。

 

自然のバクテリアなどの力を利用し、多糖類→単糖類へと甘さは変化、さらに糖から酢やアルコールへと変化、タンパク質はアミノ酸の旨みに変化し、複雑で奥深い美味しさへと順次変わっていきます。雑菌の存在や抗酸化物質の存在でも変化していくものなのだそうです。

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この言葉が印象的でした。

松茸の頃、岩泉安家地区の嘉村さんを訪ねて・・

安家地大根が収穫時期になると、短い松茸のシーズンがやってきます。決して栽培できず、収穫量も推測すら出来ない松茸。

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伝統野菜ではなくても、環境の「伝統」が感じられる松茸。安家地区のかむら旅館を尋ねました。

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嘉村さんのお台所はほっとします。

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傘の開いたマツタケは味は充分。肉厚・・・。

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銀杏も近所から・・・

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手際もとても良く・・・

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安家地大根ももちろん登場。

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松茸フルコース。このようなメニュー、日本中どこを探しても見当たりません。もう、説明はいらないでしょう。

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ダジン料理の松茸は大迫力

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嘉村さんの優しさが伝わってきます。

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岩泉はこれから秋が深まってきて、人々は冬支度を開始します。

嘉村さん、ご馳走さまでした。

 

 

 

 

ワイン会10月提案「安家地大根」

岩手県安家地大根はスローフードジャパンの味の箱舟に認定されている、ピンク色が特徴の大根です。東京南青山アトリエ・ド・フロマージュにて開催マスターソムリエ高野豊氏のワイン会に、この安家地大根をご紹介いたしました。株式会社岩泉産業開発公社のお手配によります。

 

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素朴な野菜でもお料理とワインの組み合わせで新しい輝きを持ち始めます。

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最近は伝統野菜あるいは在来作物を中心に紹介していますが、もしかしたら今回限りかもしれない食材との出会いに、参加者の皆様から好評をいただいております。私にとっては修行の場、価値あるものを表現する手法の習得は困難を極めます。

 

マスターソムリエ高野氏提案のワインは個性的。もし前説明がなければ、くちに含んだ瞬間、困惑してしまうかもしれません。今回はワインを京都の舞妓さんや芸子さんにたとえて・・・。とても解りやすいです。

 

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乾杯!皆さん、本当にお元気です。日本のワイン文化も成熟してきました。

 

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シェフと

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バイオリンの松原さん。

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安家地大根とワタリガニのフラン

葉野菜にチーズがうまく絡めてあり、薄くスライスした大根とうまく調和します。ワタリガニと地大根の卵蒸し料理も蟹の旨みと大根の個性を卵で調整、スパークリング・ワインでさわやかに頂きます。

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そば粉のニョケッティ

ニョッキの短いやつ。そば粉のちょっとの苦みが新鮮です。

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サーモンとあぎ茸のガレットグラタン

あぎ茸の旨みと歯ごたえが非常によく、良くあるサーモンのグラタンとは全くちがう味わいと表情です。しかもカリッと焼きあげたガレットがグラタンソースによくマッチしています。

 

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信州みそでマリネした蓼科牛もも肉のアリアータ 安家地大根おろし添え

しっかり味のついた肉と、添えられた野菜の調和は見事です。

 

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チーズを三種(山のシュブール、カマンブルー、山のチーズ)

 

間引きした九度山富有柿のパイとジェラート(写真、摂り忘れ・・)

 

《今日のワイン》

マンズワイン、竜眼スパークリング[原産地:長野県小諸市]

井筒ワイン、長野県原産地呼称認定・シャルドネ2012[原産地:長野県、塩尻市]

カレン・ワインズ・マーガレット・リバー・シャルドネ1999 [原産地:オーストラリア、西オーストラリア州、マーガレット・リバー]

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ワインとうよりはコニャックに近い、という説明のとおり、熟成のすすんだ白ワインは黄金のきらめき。これ、好きだなぁ。

 

アルプス長野県原産地呼称認定、ミュゼ・ド・ヴァン・ブラッククイーン2010[原産地:長野県、松本市]

シャトー・マトラ2002[原産地:フランス、ボルドー地方、サンテミリオン地区]

熟成度の高いワイン。魔女がシニア後半になったらこのような感じかな・・・。

 

安曇野ワイナリー、藍木花2012[原産地:長野県、山ノ内町]

結構個性的なお料理とワインでしたから、甘さにホッとします。

 

いつか最後の晩餐のプロデュースをするまで勉強し続けます。