ライフ・ワークでもある味覚のナチュラル・サイエンス。このタイトルでの講義内容依頼でしたので、はりきって講義しました。少々マニアックになってしまうのがたまにキズです。
2時間の講義は3部立て。これまでの食の環境から日本人の体の変化と野菜不足の問題点、その関連を説明。野菜を「おいしいと思って」食べるための味覚の話と、野菜・果物から得られる味覚を、簡単なサイエンスを交えてお話しました。
そのとき放映したDVD「味けのない女」。こちらはかねてから交流させていただいております、果実堂というベビーリーフの有機野菜の施設栽培を行う企業で製作されたものです。創設者は薬学博士の方で、熊本大学との産学連携で、野菜の基礎研究を行うフードサイエンス研究所も兼ね備えています。昨年、岩手の二戸にも工場が出来ました。ホームページ http://kajitsudo.com/
現代の食生活から味覚障害が増えている、その解決のための野菜の役割を解りやすくドラマ仕立てで解説しています。主人公の女性が自分でつんだベビーリーフを食べた瞬間の爽やかな表情がナチュラルで印象的です。
最後は予定外でしたが、「これからも食べていく」という事で、抗加齢医学的な食の選択について説明を追加して合計2時間。
10人の食育対象者いれば10人の食育の語り方。知識を得るだけでなく、アウトプットをどうするかも食育実践には大事です、とお話しさせていただきました。
質問も多く、聴講の方々のレベルの高さが伺えました。なにはともあれ、食育推進アドバイザーという任務の重さを改めて実感しました。研鑽を積んで行きたいと思います。
岩手の野菜たちとの二度目の出会い~私にとっての東北農業研究センター~
と題しまして、お話させていただきました。
幼少期に書いた作文が、すでに今の医師・野菜ソムリエを物語っていたこと。野菜ソムリエになり、東北農業研究センターを訪問して、岩手の野菜を意識、その後訪れたペルーでの体験から、自身が岩手県人であることを強烈に意識しはじめて、今の岩手での医師・野菜ソムリエの活動をしている経緯をお話しました。
その活動の中心野菜は、東北農業研究センター生まれの調理用とまと「にたきこま」と、寒じめほうれん草です。
この野菜たちとのお付き合い。野菜と野菜ソムリエの関係というよりは、小さいころ植物や動物をじーっと観察していた幼かった頃の純真な気持ちと共通のような気がします。
いわて大好き!
聴衆の方々と心がシンクロした一瞬でした。
講演の機会を与えてくださいました東北農業研究センター、そしてお集まりくださいました多くの方々に深く感謝を申し上げます。
気負いもなくスペシャルな世界を創る一流仕事師。台風一過のビルの青空のような爽快感を感じる。
その会場で同席させていただいた美しい女性。威圧感が無いし、すぐに名刺交換したがる最近の生活状況から、なんとなく安堵に近い心地よさ。
お互いワインは趣味の領域、仕事にしたら辛くなりますね・・なんて会話しているうちに打ち解けて。近県のご出身で、マナー研修や大学の非常勤講師をされている方とか。それでもお話が理屈っぽくなくて、心を開いて「美しさ、アンチエイジング」で語り合えたような気がする。
自分のためだけに24時間使えて、それで若さとか美しさを誇示したような生き方は、背景が伴っていないと「どうですかね」という事で、結語は無かっったものの、子育てを終えたという彼女との共通の思いがある感じた。
帰り間際、軽く手を差し出し握手していただいた。綺麗にネイル・アートされたその手に、会場入りする直前のハプニングでインクだらけになっている私の手が。「ごめんなさい」の言葉に、「おっしゃらなければ模様かと」と微笑まれ、その美しさは会のはじめに披露されたシャンパンサベラージュに相応しいものでした。
一流・・・・奥深いです。